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すまんそれ井戸やない。雨や。

古民家暮らしに憧れて、いざフタを開けてみれば、そこには誰も教えてくれなかった泥沼が広がっている。これは、古民家暮らしにおいてよく見られる事案です。

特に水回り。水さえあれば何とかなる、と思っていた時期が、私にもありました。前の記事で、水道代の節約と、あの独特のロマンを求めて「井戸水」の検査に出した話をしました。古民家を購入したとき、敷地内にある水栓を、ずっと勝手に井戸水だと思っていたんです。

結果が返ってきたんですが、これがまた、古民家リノベーションの洗礼とでも言うべき内容でして。

目次

井戸水検査結果の「細菌50倍」報告と、雨水タンクという名の真実

「一般細菌」が、見事に基準値を突破していました。

検査結果が示す現実。数値だけが語る古民家生活の落とし穴

どれくらい突破していたかというと、基準値のざっくり50倍です。

いや、もう。5倍くらいなら笑えたんです。しかし、50倍。これはもう、何かを育んでいるレベルでしょう。顕微鏡で覗けば、ちょっとした水族館になっているんじゃないだろうか。

もちろん、専門的なことはわかりません。ただ、水道法で定められている飲料水としての「一般細菌」の基準は、1 mL中に100個以下とされています。この数値を50倍すると、1 mLあたり5,000個。

検査機関からの報告書は、感情を一切挟まず、ただ淡々とその事実を通知してきます。あの無機質なインクの文字が、私の古民家への夢を冷徹に打ち砕いていくわけです。

正直、この「井戸水」に関しては、最初から飲用目的ではなく、主に庭の水やり、あとは掃除や洗車などに使えればいいや、と考えていました。飲まなければ大丈夫、と、当初は冷静に割り切っていたんです。

ところが、50倍という数字を突きつけられると、冷静な当事者意識も揺らぎます。

  • 手洗いに使って、手に傷があったら?
  • 自分の見ないところで子供が買ってに飲んでいたら?(飲まないでほしいが)
  • 最悪、ポンプが壊れて逆流でもしたら?

ここまで考えると、もうダメですね。私は大人ですから、自己責任で注意深く使えばいい。でも、子供に同じリスクを負わせるのは抵抗がある。古民家リノベーションを頑張っているのは、家族のためのはずなのに、ここで妙なリスクを抱え込むのは、本末転倒な気がしました。

思えば、私がやっているのは、「住環境の改善」であって、「住環境の悪化と向き合う修行」ではない。

あほかな?と、自分の行動にツッコミを入れながら、この水脈をどうにかすることを決意しました。

地中に埋められた”雨水タンク”との対面。

そして、この細菌まみれの水を巡る問題には、もっと大きな誤算があったんです。

実は、この水栓、ずっと「井戸水」だと思い込んでいたんですが、そもそも井戸水ではありませんでした。

検査結果が返ってきて、改めて周辺をよく観察してみました。建物の壁に隣接した、やけにコンパクトなスペースに水栓がある。井戸にしては変だな、と以前から違和感はあったんです。その水栓のすぐそばに、なんだかそれっぽいマンホールのフタみたいなものがあったので、勇気を出して開けてみました。

結果。

なるほど、雨水。

フタを開けた下には、地中に埋められた巨大な樹脂製の雨水タンクが鎮座していました。

そうか。前の持ち主の方が、たしか「雨水タンクを埋めて、庭の水やりに使っている」みたいなことを言っていたのを、今になって鮮明に思い出しました。

つまり、私がせっかく検査に出した「井戸水」は、地面から汲み上げられた地下水ではなく、屋根から流れ落ちてきた雨を貯めた水だったわけです。

雨水を貯めているとなれば、細菌50倍という結果も、腑に落ちます。屋根瓦や雨樋を伝ってくる間に、鳥のフンやホコリ、落ち葉など、ありとあらゆるものが混入し、そのままタンクに貯蔵され、そこで菌がウェルカム状態になる。

そんな過酷な状況で、菌がスクスクと育っているわけです。

これでハッキリしました。この水は、飲用どころか、生活用水として使うにも、あまりにもリスクが高い。特に、長期間放置されていたようで、タンク内の清掃状況も不明です。

雨水タンク問題の現実的な対策。マキタのあの製品が輝くとき

さて、問題が「井戸水」から「雨水タンク」に変わったことで、次の対策も変わってきます。

井戸水であれば、浄水フィルターの設置や、塩素滅菌の仕組みを導入するといった、大掛かりなインフラ整備が必要になります。

しかし、雨水タンク。この細菌だらけの水源を、どうにか「生活の一部」として活用したいという気持ちも、まだ残っています。せっかくポンプも動いているわけですから。使えればタダですから。

現実的に考える対策は、ざっくり以下の2つです。

  1. タンクの清掃と滅菌処理: タンク内の水を完全に抜き、高圧洗浄などで内部を清掃する。その後、塩素などで消毒し、再度水を貯めて検査に出す。
  2. ポンプ&配管の交換(あるいは撤去): 現状の水を諦め、ポンプと配管を撤去し、完全に封鎖してしまう。

1の案が一番望ましいのですが、タンクのフタを開けた感じ、中の清掃は素人には難しそうでした。下手に触って、配管を傷つけても面倒です。

現状最も現実的だと考えているのは、「用途を限定した上での、部分的活用」です。

具体的には、この水栓はもう、「庭の水やり専門」として割り切り、その作業を極限まで効率化することを目指す。そして、それ以外の用途(洗車や掃除)には、絶対に手を出さない、というルールを徹底します。

迷うなら、プロに相談。

細菌が検出された以上、そしてそれが雨水タンクだと判明した以上、自己判断で使い続けるのは危険すぎます。

やはり、ここは専門家の意見を仰ぐべきでしょう。

このポンプのメーカーが判明したので、そこに連絡を取るつもりです。ポンプ自体が汚染源になっていないか、あるいは、フィルターや浄水装置を後付けできる構造になっているか、専門的な視点からのアドバイスをもらいたいと思っています。

古民家リノベーションは、美しい古材や梁に目が奪われがちですが、目に見えない「水」や「土」のトラブルが、実は一番厄介で、最もお金がかかる。この雨水タンク問題は、その現実を改めて痛感させられました。

続報は、また次の記事で報告させていただきます。

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